リョーマ!感想

リョーマ!を3回見て、やっと脳みそが慣れてきたので思ったことを書く。パンフレットまだ買ってないので、あくまで映画だけみて私はこう思ったよって感じです。

 

・最初の3

ここで心を掴まれてしまった。いやこれがテニスの王子様ですわ………。まずDare Princeから始まるのがいい。「君が勝てるまで見ててあげるから」「一生で一度のチャンス、逃したとしても、世界が終わるわけじゃなし、ねえ、前に進もう」とか、とにかくちゃちなことは言わない度量が深い曲なので、聴くといつも元気になる。

 

・ラップパート

1回目見た時は「ハ?」以外の感情を無くしたんですが、普通に歌詞がかっこよくてすき。レペゼンアジアなのもすき。背負ってるもんでけぇ〜!!!!あと、ラップに詳しくなくても、リョーマのパートになった瞬間2倍速で韻踏むので、明らかにリョーマがテニスでもラップでも上手というのが分かるのがすごい。ミュージカル映画として正解。

あと、ラップは音楽ジャンルの中でも自己表現の面が強いので、序盤のここで越前リョーマにラップをさせることで新規にも優しい作りになっている。ただラップさせたいからさせたと言うのもあると思うけど、ここまでで越前リョーマの性格とかは一切分かんないのに、この曲を聞くことで越前リョーマの性格がわかるようになってる。ちゃんと序盤のここでやるべき意味のある曲。

 

「ねぇ、ラップって案外簡単じゃん、これで分かったろ誰がナンバーワンか、さっきまでの殺気はハッタリだったってガキに言われてハッキリしたろ。マイネームイズリョーマエチゼン。覚えておきなアジアレペゼン。次に見かけたら敵前逃亡したほうがいいぜ差は歴然」

これが越前リョーマです。

 

 

・謎のギャラクシーキャットについて

リョ桜をタイムスリップさせたと思われる謎キャット。映画では何の説明もないけど、どこかシーンが切り替わるたびにあの猫が絶対どこかに描かれてる。最後にふしぎパワーを持つテニスボールを持ってきた所からこの猫は確信を持ってタイムスリップさせてる。

教会のリョ桜デュエットシーンではギャラクシーキャット空間の中に、リョーマと桜乃が連れていかれてたので、あの猫はリョ桜ガチ勢の思念体が集まって出来た生物という説を推します()強火だね。

 

・エメラルドさんの運命は変わった

タイムスリップ前、テニスギャング(何回読んでも訳わからん日本語)にやられそうになった時、明らかに、車椅子に乗ったエメラルドさんが、テニスギャングにボールを撃ち込む様子が差し込まれていたので、タイムスリップ前の正史は「なにかしらの理由があって、足を怪我して、トーチャンと一緒の車椅子状態になり、テニスギャングになっている」だと思います。

それが、リョーマとの出会いを経て、モデルに転向してたの普通に感動しました。

リョーマとの出会いがエメラルドさんを変えたんだ………

テニスの王子様は、リョーマの成長の物語でもあるけど、リョーマの在り方が周りに影響を与える構図(阿久津戦など)もめちゃくちゃ多いから、そこもしっかり盛り込んでて嬉しかった。テニプリの全部が詰まっとるやんけ。お徳用か?

10周年記念の時のテじゃ俺300の曲で、ライバル達がリョーマのことを歌ってる曲があるんですけど、その中の歌詞で「どんな強敵にも怯まないさ、真っ向勝負で受けて立つ、勇敢な心が楽しさになるくらいに、俺達の心 強くさせる」ってのがあるんですけど、ほんとその通りだなって。22年経ってもリョーマのキャラクター性がブレてないことにもビックリする

 

・手塚と跡部

二人ともリョーマに対しての対応が真逆のくせに、行き着くアドバイス、結果は同じなのに笑ってしまった。みんなリョーマのことよくわかってんなぁ〜。ただ、アドバイスとしては跡部の方が上手だなって感じしましたね。跡部なんだかんだめちゃくちゃ面倒見がいい。ドキサバとかで他キャラのルートに現れてはめちゃくちゃ的確なアドバイスして去っていくし。その点手塚は結構脳筋というか、態度で示す!みたいなところあるし……(必要とあれば、1年生を高架下コートでボコボコにする男)

 

 

・エトワール柳生

今作1番の謎。3回見てもここで笑う。

グローリーの方だと、その後のPV祭りでレーザービーム流れるので、より柳生が主役感すごい。後ろからヒョコッと出てくる仁王が可愛い。

 

・父離れと次のステップ

ようはテニスの王子様って、リョーマ42巻使って、お父さんがずっと教えてきた「テニスって楽しいじゃん!」に行き着く漫画で、お父さんがリョーマを導いてるシーンがたくさんあるんだけど、リョーマがお父さんを始め、沢山の人に導かれて「テニスって楽しいじゃん!」に行き着いた次のステップの話という前提を踏まえてこの映画を見ると、父離れっていうテーマもあるのかなって思う。

 

今作すごい「守る」ってことを強く描いてて、桜乃ちゃんもリョーマくんにあげる缶バッチ、つまりリョーマが間違いなく過去に飛んだ証を守ったし、リョーマくんも、自分のせいで巻き込んだ(と思っている)桜乃ちゃんと、自分が尊敬して止まない親父のテニスを守ろうとしたし、エメラルドのお父さんも、親子の絆を守ろうとしたし、南次郎さんも常に家族を守ろうとしてた。お父さんがテニスが強くなる秘訣として「お前たちが大人になったら教えてやる」といったのはもうこれが答えなんだよな。

 

そして、その「テニスって楽しいじゃん!」の次のステップにリョーマくんが今までみたいにお父さんに導かれずに、自発的にたどり着いていた!!!父離れの始まり。導かれなくても、大切なことを見失わない、自分で答えに辿り着ける人間に成長してる〜!!!なんじろ〜さんの気持ち考えてちょっと泣いた。あんなに小さかったリョーマくんが立派に育って………

 

・差別への描写

マフィアの娘だから、女だからと煙たがられてた過去をもつエメラルドさん。アジア人だから勝つことを歓迎されない南次郎さん。こういう問題は今ベリ〜ホットな話題なので、日本で、しかもアニメ映画がこういう描写を少しでも入れたってのはすごいことだなと思う。許斐剛先生は昔からルッキズムに関してはかなりこだわって描いてるけど(悪役をデブに、ブスに、無能な人間として描かないという点)ここまで差別への描写が明確に入ってるとは思ってなかった。この映画はあくまでリョーマの成長を描く映画であって、差別問題について取り上げる映画ではないので、その辺はフワッと終わったんですけど。いま放映してる邦画とかでもそんな描写あんまないんで、そういう意味でもチャレンジングだな〜って思いました。

 

・好きなセリフ・シーン

「ふぇえ〜」

生きてるうちに桜乃ちゃんのふぇえ〜が劇場で聴けると思ってなかった。感謝。

 

「あんたんとこのヴォーンだって勝つ可能性がゼロじゃない」

これテニプリを象徴するセリフ。勝負はどうなるか分からないし、真剣勝負だから。お父さんの勝利を信じているけど、お父さんが絶対に勝つとは言わないリョーマテニプリは一貫してこの姿勢を貫いている。

 

エメラルドさんとの試合描写

数回試合のシーンはあるんだけど、一番細かく描かれてたし、テニプリリョーマがしてきた試合展開が詰まってて、説明されなくてもどういう試合運びかわかる秀逸なシーン。ツイストサーブとか、サウスポーが切り札的に出てくるところ、エメラルドさんが足に切り替えた瞬間、ボールがアウトになり始めるところ、ボールのパワーが上がってリョーマがラケットを両手に持つところ。あのシーンはすごい。テニプリが詰まってた。テニスのシーンは実際のテニスプレイヤーのモーションキャプチャーらしいので、やっぱ見栄えするな〜と思う。多分エメラルドさんは違うけど。

 

桜乃ちゃんのポニーテールを見たときのリョーマの顔

説明不要。最高。

 

桜乃ちゃんを車から下ろす時に抱き抱えるところ。

説明不要。愛じゃよ。

 

ラケットを車のハンドルに刺して止めるところ。

ふいにめちゃくちゃで好き。そんな無茶な。

 

9/6追記

応援上映に行ってきました。

やっぱペンライト振れると違えわ!!!!たのし〜!!!!!!!!念願の世界を敵に回してもを踊ることができました。

 

私の左隣が(おそらく)私よりも若くて、新規がおる!!!!!!!!嬉しい!!!!!!!!!!!!ってなった。もう20年以上前からの作品で地上波アニメが放映されてるわけでもないんですが、それでもハマってくれる若い子がいるとまだまだテニプリのジャンルは生き残れるなって思えて嬉しい。

 

2年前は幽体離脱リョーマに違和感を感じなかったけど、やっぱ改めて見るとあそこのシーンでリョーマがいきなり幽体離脱するのはビックリするよなと思い返した。やっぱテニプリって最初に脳を焼かれてからが本番なんだ。

 

桜乃……………………結婚してくれ…………‥リョーマと………………………………